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第21章

歩み寄ろうとした女子たちが足を止め、好奇心に満ちた視線をこちらへ向けた。

藤原光司は足を止め、わずかに目線を落として目の前の女性を見つめた。

彼女は彼より頭ひとつ以上も背が低かったが、今は顔を上げ、明るい眼差しで、少しの恐れも見せていなかった。

「北野さん、何か?」彼の声には感情が読み取れず、相変わらず冷たく距離を置いたトーンだった。

「少し藤原教授にお聞きしたいことがあって」

北野紗良は単刀直入に言った。「南区の土地のことなんですが、藤原教授、個人的にお話する気はありませんか?」

この言葉が発せられた途端、周囲にまだ残っていた学生たちは耳を澄ませた。

南区の土地は最近、業界で...