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260話

「グレイス」

私は頭を振って、セシルがデビンを人質にしている間、笑いをこらえるのに必死だった。彼が警備員を見るたびに、少しずつ痛みが和らいでいった。裁判が再開されれば、彼は自分の行動の代償を払うことになる。そうすれば、エイミーと私、そして私たちの子供たちは本当に自由になれるのだ。

私はくすりと笑った。

「どうしたの?」チャールズが尋ねた。

「イーソンがこれを見たら喜ぶわ」

彼は携帯を取り出し、写真を撮ってイーソンに送った。

「これで、彼も楽しみを逃さずに済むね」

音楽が終わりかけたとき、セシルの頬は興奮で赤く染まっていた。デビンは逃げようとしたが、セシルは次の曲も、その次の曲も彼を人質に...