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215話

チャールズが謎めいた女性を隣の席へと案内すると、ホール内にざわめきが広がった。私はニュースで彼女を見た覚えがなかった。よく見ると、王冠だと思っていたものはむしろ宝飾品のように見えた。彼女の額には大きな石が乗せられ、細い鎖で固定されていた。

王冠ではない。

女王でも王女でもない。

その認識は私の気分を良くするものではなかった。上院議員たちは皆好奇心に満ちた様子だった。エスメはチャールズの方をちらりと見たが、特に動揺した様子はなかった。しかし、チャールズ自身を除いて、誰も彼女が何者なのか知らないようだった。

シーンが咳払いをするまで、誰も質問することもなく、チャールズとこの女性がここにいることを...