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186話

「グレース」

息が喉につまった。

「チャールズ…」

彼は私に微笑みかけた。リチャードを優しく揺らしながら、その目はいたずらっぽく輝いていた。ビロードのような彼の声が私の感覚を包み込む。リチャードを眠りに誘うのと同じくらい簡単に、私も眠りに落ちそうになっていた。リチャードは満足げな低い声を出して、チャールズにもっと身を寄せた。そして、私が今まで見たこともないほど早く眠りに落ちたようだった。チャールズは彼をベビーベッドに運び、寝かせると、まだ鼻歌を歌いながらベッドの上の何かを光らせた。セシルの部屋にあるナイトライトのようなものに違いなかった。

私が部屋を横切ると、歌は終わりを迎えた。チャールズ...