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142話

「チャールズ」

グレイスは僕を死に至らしめるだろう。毛皮の下の熱気は今や息苦しいほどだったが、彼女に対して僕の内側で燃え上がるものに比べれば何でもなかった。発情した十代の少年のように彼女を絶頂させただけで、考えることも集中することも難しくなっていた。

さらに厄介なことに、僕は彼女を抱けたことを知っていた。彼女は楽しんだだろうし、思っていたよりも長く意識を失っていたことに恥ずかしさを感じただけかもしれない。だが僕は名誉と、おそらく過剰な分別から自制したのだ。グレイスには僕が二人分の分別を持つ必要があった。彼女はまだ落ち着かず、不安定だった。

それでも、彼女を抱きたい、望むことを何でもしたい...