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88話

木々の間からフィンレイが歩いてきた。その瞬間、私の心臓は止まった。私は再び伴侶の匂いを吸い込み、それがフィンレイの匂いだと認識した途端、安堵が私を包み込んだ。フィンレイが私の二度目のチャンスの伴侶だったの?彼は私に辿り着くと立ち止まることなく、私の空間に踏み込み、首筋をつかんで、まるで命がけであるかのように私にキスをした。私は彼の首に腕を回し、そのキスに応えた。私たちの肌が触れる場所では火花が踊った。これらの火花はジェームズとの時に感じたものとは比べ物にならなかった。私はそのうずくような感覚を歓迎した。フィンレイは前進し続け、私を木々や茂みの中へと後退させた。私はそんなことは気にしなかった。大...