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82話

各格闘ステージには公式の審判が配置されていた。彼らの仕事はルールが守られているかを確認し、相手を組み技で捕らえた際のカウントダウンを行うことだった。少なくとも安全対策は整っているな、と私は最初の試合に割り当てられたプラットフォームに上がりながら考えた。向かい側には別の女性が上がってきた。私が彼女を評価したように、彼女も私を見定めていた。相手は訓練を積んでいるようで、私を見る目つきには知性が宿っていた。簡単に勝てる相手ではなさそうだ。

合図の音が鳴り、試合の開始を告げた。私たちはゆっくりと互いに目を離さず円を描くように動いた。どちらも必要なら身を守る準備ができていた。彼女が最初に動き、私に向か...