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8話

トラックの助手席に座り、ほとんど知らない男性アルファと一緒に見知らぬパックへ向かっている自分が信じられなかった。彼の突拍子もない申し出を受け入れるなんて、私は正気を失っているに違いない。そもそも彼の方がもっと狂気じみていたのかもしれない。いったいどんなアルファが、狼を持たない人間にパックへの参加を申し出るというのだろう?そう、正気を失ったアルファだ。そして私という馬鹿は、その正気を失ったアルファのトラックに乗り込むことに同意してしまった。自分の車で行くことを提案したのに。そうすれば、彼の申し出を断った時に自分で帰れるというのに。でもフィンレイは一緒に行くべきだと主張した。そうすれば、お互いをも...