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55話

私たちは再び評議会の建物に戻っていた。エイミーが私の隣に立ち、二人で待っていた。何を待っているのか、私たちには分からなかった。待合室の反対側には、私の兄と彼のベータが立っていた。時々、兄は私と視線を合わせてきた。

「気にしないで」とエイミーが心で語りかけてきた。私は兄から視線をそらした。

「あいつ、何か企んでいる」と私は彼女に伝えた。

「もちろんよ。評議会を自分に有利に動かせる何かがなければ、彼はこんな問題を評議会に持ち込まないわ。彼を見つめて考えても無駄よ。すぐに分かるから」と彼女は言った。彼女の言う通りだった。それでも私は兄に横目で睨みつけた。私が気づいていることを知らせるために。「...