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52話

「レッド、大丈夫か?」フィンレイが振り返って私を見ながら念話で尋ねた。

「大丈夫。なんとか持ちこたえられるわ。でも彼を引き上げるのは無理だと思う」と私は答えた。

「ラムセス、エイミー、そのまま動かずにしっかり掴まっていろ。アルファ、できるだけ近づこう。彼らが支点になれば、引き上げられる」とサムが言った。私は指の痛みを考えないように呼吸に集中した。フィンレイが戻って私の隣に来た。

「準備はいいか?」フィンレイが尋ねた。

「準備OK」サムが同意した。フィンレイは片腕を使って、私たちの下で揺れているジェイクを支えているロープに手を伸ばした。フィンレイとサムがロープを引っ張ると、重みが私から解...