失われたライカンの王女

63話

サラの視点

私は男が放った火の玉に当たってしまった。気を失ってしまったのだ。目が覚めると、レイがベッドの上に立っていた。頭には氷嚢が乗せられていて、耳鳴りがし、頭は酷く痛んでいた。

「ゆっくり休んで、ベイビー」とレイは言った。

「長い一日だったからね」と彼は続けた。

私は思ったことを口にしたかったけど、黙っていた。彼が戦いをしていたのは明らかだった。彼を怒らせたくなかった。

「私の赤ちゃんたちは大丈夫？」と私は尋ねた。

「ああ、俺たちの子供たちは無事だよ」と彼は答えた。

私はほっと息をついた。カリーナも無事であることを願う。確かに私たちは一心同体だけど、彼女が大丈夫か確認したかっ...