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6話

「キング・レイ視点」

私たちは私の病院に到着し、主治医のバーナード先生を呼び出した。妹はすでにそこで私を待っていた。ケイレブが心を通じて連絡し、私がどこに向かっているか伝えたのだろう。彼女は狼の姿で移動してきたに違いない。その姿なら車よりも速いからだ。バーナード先生が私のつがいに手を伸ばした。

「つがいだ」と私は唸った。

彼は状況を理解し、私が彼女を手放したくない気持ちを察したようだ。

「陛下、彼女を手放して治療させてあげないと」と妹が優しく言う。

彼女を見失いたくないという気持ちはあるが、妹の言うことが正しいのはわかっている。つがいの呼吸は浅く、心拍もかすかで状態が良くないことがわ...