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第156話クレイジーナイト

レイ視点

サラとの朝食を終えた後、俺はオフィスへ向かい、銀行の取引明細書や財務報告書に目を通した。それから、ホワイトリバー一族の境界線を頭に叩き込んでおく必要があったため、再びその地図を調べた。向こうにも地図はあるだろうが、それが正確なものか確かめておきたかったのだ。俺が地図を調べていると、乳母の一人が念話で連絡してきた。

「陛下、家に見慣れない狼がおります」

「サラに子狼たちを連れて子供部屋へ行き、鍵をかけるように伝えろ」

「既になさっております」

さすがは俺の女だ。言われずともやるべきことを分かっている。彼女の最優先事項は子狼たちを守り、次に自分自身を守ることだ。俺はすぐに椅子から立ち上...