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第155章:訪問者

サラ視点

その狼は黄色の目をしていて、体毛は混じり気のない真っ黒だった。その狼は私の目の前で、一人の男へと姿を変えた。彼は服を何一つ身に着けておらず、裸になるのが分かっていながら私の前で人間に変身するなんてと、私は激しい怒りを覚えた。目の前の男は巨人のように巨大だった。真っ直ぐな黒髪で、額には一筋の傷跡がある。私は彼の目を見つめていた。黄色い目なんて、今まで一度も見たことがなかった。

「女王陛下、王とお話がしたく参りました」

「ええと、王がどこにおられるかは存じません」

「中でお待ちください」

彼は私についてリビングルームに入ってきた。私は急いで床にいた子供たちを抱き上げ、育児室へ向かった。...