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第243話敵を一人倒せ...

翌朝、ローガンが先に階下へコーヒーを淹れに降りていき、その間に私は顔を洗った。ほどなくして、彼が階段の下から呼びかける声がした。

「ヘイゼル! これを見なきゃ」

顔をタオルで拭くと、私は急いで階下へ向かった。リビングルームにはローガンが立っていて、テレビがつけられていた。

心臓が恐怖と不安でねじれるように痛んだ。あの画面には、いったいどんな新しい地獄が私を待ち受けているのだろうかと。だが、目を向けた先には、ローガンと私の姿はどこにもなかった。

代わりに画面に映っていたのは、高価そうなヨットの上に立つティナだった。彼女はハンサムな男性に腕を回し、背景には熱帯の海岸線が見えている。

「石油王の令嬢...