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16話

私はできるだけ早く警察署へ車を走らせた。オフィスを出る前にディランに電話をかけておいたので、彼が警察署で待ち合わせる予定だった。それが本当に助かった。今まで誰かの保釈金を払ったことなんてなかったから、どこへ行って誰に話せばいいのかさえわからなかった。

警察署の外に車を停め、入口を探して周囲を歩き回った。警察官や警察署は安全な場所のはずだけど、この暗い市街地の建物の周りを歩いていると、なぜか緊張して少し怪しく見られているような気がした。

「おい!」背後から男性の声がした。私は飛び上がって振り向き、両手を挙げて降参のポーズをとった。男は笑った。

「君がヘイゼルだね」と彼は言った。「ローガンが...