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45話

キャロラインを止められないと悟ったセシリアは、左側の警備員に素早く丁寧に謝罪し、彼女の後を急いだ。

「誰があなたを入居させたの?」キャロラインは目を怒らせながらタムシンに向かって言い放った。

タムシンは顔を上げた。ちょうど入館のための顔認証を終えたところだった。

「それが問題じゃないわ」タムシンは唇に薄笑いを浮かべながら言い返した。「大事なのは、今日から私もここに住むってこと」

「あなたが?」キャロラインは眉を上げ、軽蔑の滲んだ口調で言った。「見た目も魅力も身長もお金もない。いつでも捨てられる愛人に過ぎないじゃない!あなたみたいな人が私たちのコミュニティにいるなんて恥ずかしいわ!」

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