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40話

男が動こうとしないのを見て、アラリックは眉をひそめ、冷たく繰り返した。「言っただろう、彼女から手を離せ」

彼の声は大きくなかったが、混沌とした場の中を刃物のように切り裂いた。

男はアラリックから発せられる殺気を感じ、面倒なことになると判断した。彼は手を振り捨てるように立ち去った。

セシリアはまばたきして、アラリックを見上げた。彼の荒々しい顔立ちがはっきりと見えた。冷たく、少し怒っているように見えた。

「アラリック？なぜここに？」キャロラインはちょうどセシリアに見せたい面白いものを見つけたところで振り向くと、嵐のような表情でアラリックが立っているのを見た。

「キャロライン、セシリアをこ...