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第264章二重補償

セシリアは一歩踏み出し、ようやくその紺碧の宝石に指を触れた。

指先に伝わるひんやりと滑らかな感触が、なぜだか彼女を安心させた。

彼女は唇を噛み、息を殺し、祭壇の中央の溝から慎重にそれを取り上げた。

宝石が溝を離れた途端、流れるような青い光は急に弱まり、まるで生命力を吸い取られたかのように、生命感のない濃紺色だけが残った。

セシリアはわずかに眉をひそめ、その場に立ち尽くしたまま、静かに宝石を観察した。

ブリエルの青い宝石とは違っていた。表面はより滑らかで丸みを帯び、色もより鮮やかで、手に持つとずしりと重かった。

「それを入れろ」不意に背後からクリストファーの声がした。

彼の目はセシ...