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第225話彼に比べたらずいぶん遅れている

セシリアは何が起きているのかを察し、冷静に手を引くと、アメリアからさりげなく距離を取った。

彼女の向かいに腰を下ろし、氷のような声色で言った。「単刀直入に聞くわ。何の用で私に会いたかったの?」

アメリアの顔に、一瞬、わざとらしい悲しみが浮かんだ。

彼女は瞬きをすると、傍らから上品なギフトボックスを取り出し、優しげな声で言った。「セシリア、最近ヴェリディアンからこの香水とシルクのスカーフを持ってきたの……」

「以前は私が悪かったわ。これをお詫びとして受け取ってくれるかしら?」

彼女はギフトボックスをセシリアの方へ押しやりながら、宝飾品の類が何もないセシリアのむき出しの首筋を盗み見た。

セシリ...