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第218話これで全部なの?

それを聞き、アラリックの瞳に暗い影が差し、冷たい光が宿った。彼は氷のような声で言い放った、「お前の指図は不要だ」

「それから」アラリックは言葉を切り、その眼差しが鋭さを増し、周囲の空気が張り詰めた。「セシリアには手を出すな。さもないと、俺が何をするか、保証できんぞ」

「他に用がないなら、失礼する」

そう言って、アラリックは立ち去ろうと踵を返した。

アラリックの言葉と、その無関心で傲慢な態度が、ボディを完全に激怒させた。

「待て! 俺が行っていいと言ったか?」ボディは怒りに目を燃やしながら叫んだ。「そのドアから一歩でも出たら、二度と戻ってくるな!」

アラリックは立ち止まり、冷ややかに...