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第171話君を失うわけにはいかないから

ランスロットは頷き、セドリックの後に続いて書斎に入った。

ドアが静かに閉まり、家の他の場所からの物音が遮断された。

「セドリック、一体何が起きているんだ?」ランスロットは声に戸惑いの色を滲ませて尋ねた。

セドリックはランスロットに背を向けたまま、床から天井まで届く窓の外を眺めていた。月明かりが彼の高い背中に冷たい銀色の光を投げかけていた。

「ランスロット、この件には関わるな。前回は、私に言わずに島へ調査に行ったが、見逃してやった」

彼はゆっくりと振り向き、深い瞳に複雑な感情を宿しながらランスロットの目を見つめた。「ルナハウルのバンドには関わるなと言っただろう」

ランスロットは驚き、...