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120話

メディチ家の夜。

セシリアはゼインの手を縛り、彼を自分の部屋に押し込んだ。

ゼインの口は何重もの黒いテープで覆われ、充血した目でセシリアを睨みつけ、非常に苦しそうな様子だった。

キャロラインは彼をちらりと見て、頭を振り、ため息をつくふりをした。「ジュリアンは本気だったわね、媚薬を使うなんて。見てよ、彼、とても哀れな姿ね」

「楽しんでるみたいだな」キアンはキャロラインを軽く小突いた。

キャロラインは鼻を鳴らした。「彼はセシリアを陥れたのよ、自業自得よ!」

それを聞いて、ゼインの体はさらに震えた。

胸から手足へと広がる灼熱感が、彼の肌の隅々まで火のように感じさせた。

彼の呼吸は速く...