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83話

【フェンリル・ダネシュティ視点】

私は避妊薬を指の間で握りしめながら、雪を踏みしめて足跡を残しつつ、家に向かって足早に歩いていた。

サヴァンナがこんな風に予期せず発情期を迎えるなんて信じられなかった。ここ数週間、私たちは感情を抑えるために離れて過ごしていたのだ。

マリリンの言葉を考えないようにしていたが、自分自身との葛藤に巻き込まれるのを避けられなかった。

本当にカタリナを過去に置いておくべきなのか、サヴァンナに対する気持ちがカタリナへの裏切りなのか、マリリンの言うように、決断できずにいた。

離れていた時間がどれほど辛かったとしても、それは必要なことだった。

サヴァンナは以前よりも私を驚かせ...