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67話

音楽はまだ大きく楽しげに響き渡り、狼たちは焚き火を囲んで踊っていた。燃えるユーカリの強い香りと、彼らが焼いていてまもなく振る舞われる肉の匂いが漂っていた。

彼らはとてもリラックスしているように見えた。まるで国境地帯の至るところを巡回している雄狼たちがいないかのように。まるで外に潜む大きな脅威などないかのように。

私は深くため息をつき、頭を振って、ハンターのことを頭から追い出そうとした。彼は今夜、私を悩ませることはないだろう。私は彼に自分の時間を台無しにさせたくなかった。

胸の緊張がほぐれた。顔を上げて、辺りを見回し、彼を探した。

フェンリルは数メートル先の焚き火の近くで、一群の雄狼たち...