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43話

私は深呼吸をして、彼の匂いと私たちの周りに生えているユーカリの木の香りを吸い込んだ。

私は乾いた唇を舐めた。彼はまばたきひとつせずにその動きを分析していた。心臓が早鐘を打ち、背筋に震えが走った。彼の視線に晒され、彼がこんなに近くにいることで、私は...興奮していた。

私は咳払いをした。

「これが初めて私たちが何かに同意したことね、フェンリル」

狼のような笑みが彼の顔に浮かんだ。

「俺の狼はお前に対してある種の...執着を持っている」と彼は告白し、手のひらを私の首筋にすべらせた。「まるでお前が奴のものであるかのようにな。だから約束しよう、ハンターもその配下の男どもも、お前に触れることはできない。...