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40話

【サバンナ・ボーウェン視点】

私の手は汗で滑りやすくなっていた。威圧的な石造りの城の最初の段に震える足を上げると、その湿り気が手のひらにまとわりついていた。ここまでの道のりは、アントンの声が耳に響き続ける中であっという間に過ぎ去った。彼の果てしないアドバイスが頭の中をぐるぐると巡っていた——何を言うべきか、何を避けるべきか、城の中で待つ者たちの前でどう振る舞うべきか。

城は私の上にそびえ立ち、その鋭いシルエットが空を引き裂き、それまで私の道を照らしていた銀色の月明かりを遮っていた。私の影はその巨大な塊の下で消え、圧倒的な重みに飲み込まれ、肌から放射される蒸し暑さにもかかわらず、背筋に震え...