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36話

サバンナ・ボーウェン視点

正直に言うと、私はフェンリルの命令には従わなかったし、これからも従うつもりはない。でもマリリンと彼には過去があって、彼女は彼を喜ばせて注目を集めるためなら何でもするようだった。なんだか複雑な関係だ。

「マリリンさんは難しい気性の持ち主でね」彼は頭を振りながら溜息をついた。「カタリーナさんの親友だったんだ」

私は口を「お」の形に開けて、彼女の方に体を向けた。

「何ですって?」

あの女、ただの嫌な女というだけでなく、裏切り者でもあったのか。

ニコレータはベッドの調整を終え、掃除道具を集めてドアの方へ向かった。

「二人は親友同士でしたが、カタリーナさんが亡...