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123話

私は夜中に目を覚ました。胸が激しく上下し、首の後ろの肌に髪が張り付いていた。

恐怖が血の中の燠火のように広がり、内側から私を蝕んでいった。

ベッドの上で起き上がると、心臓は激しく鼓動し、喉には叫び声が詰まっていた。周りを見回し、自分がどこにいるのかを確認してやっと落ち着いた。

家にいる。

フェンリルが隣で体を動かし、私を彼の方へ引き寄せ、頭の上にキスをした。彼の独特の香りがした。いつもよりもさらに安心感のある香りだった。

「大丈夫だ、ただの悪夢だ」

ハンターは死んだかもしれないが、私を悩ませることはやめなかった。彼の死がもたらした自由の重みを感じる一方で、あの日々に彼と共に耐えたすべて...