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115話

「フェンリル・ダーネシュティ視点」

血に染まった指と大きく温かい心臓を見つめていた。牙を伸ばして唇に近づけ、柔らかく繊細な臓器に噛みついた。噛み砕くと歯の間でぼろぼろと崩れていく。その臓器の味は控えめで、金属的で塩気のある狼の血の味とは対照的だった。

残りを脇に投げ捨て、髪の毛をつかんで頭を掴んだ。

刃のように鋭い爪を皮膚に這わせ、切り裂いていく。筋肉と腱を引き裂き、骨に達した。開いた傷口から血が噴き出し、彼の服を染め、滴り落ち、足元に血溜まりを作った。彼の肩を押さえつけながら頭を引き上げる。いくらか抵抗があった。頭を左右に回し、絡み合った骨を引き離そうとする。それらはゆっくりと音を立て...