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5話

昨夜家を出た時の映像を巻き戻して、スローモーションで再生し始めた。緊張で手のひらは汗ばんでいた。でも1時間ほど見ていても、部屋は静まり返っていて、特に何も起こらなかった。

完全に無駄だったと思った瞬間、カトニスがベッドで突然体を起こし、手を震わせながら、空嘔吐をして「ケビン、ケビン...」と呼びかけた。マジでグッときた。彼女は完全に酔っぱらっていたのに、最初に思い出したのは俺、つまり旦那だったんだ。

ネイサンは彼女が俺の名前を呼んで吐いているのを聞いて、パジャマ姿で自分の部屋からよろよろと出てきて、バスルームに駆け込んだ。洗面器を掴むと、カトニスの部屋に急いだ。あいつ、半分眠っていたに違い...