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170話

この瞬間、時が止まったかのように、二人は長い間別れを惜しんでいるようだった。この時、二人の間で過ごした過去の出来事が、スライドショーのように彼らの脳裏を駆け巡っているのだろう。互いの思い出に浸っているかのようだ。今夜は二人にとって、そしてもちろん私にとっても、忘れられない特別な夜になるに違いない。

これは特別な結婚式だ。特別なのは花嫁と花婿の関係だけではなく、付添人も友人や家族からの祝福もないことだ。二人だけの静かな結婚式で、音楽も牧師の祝福の言葉もない。

かすかに聞こえるささやきが突然響く。ネイサンがカットニスの細い腰に回した手が、彼女の腰をあちこち探るように触れ始め、カットニスは思わず...