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115話

二つの全く異なる唇が互いに触れ合い、口の中で唾液を交わしていた。それは彼らが欲望を完全に解放していたからか、あるいは単に口づけを交わしていただけなのかもしれない。力の抜けたカトニスはネイサンにキスされ、抵抗することもなく、かといって積極的に応えることもなく、ただネイサンに彼女の官能的な唇、柔らかな赤い唇を味わわせていた。その唇はネイサンの口の中で形を変えていった。

数回のキスの後、ネイサンはカトニスの唇から離れた。すると、離れた唇の間には唾液の糸が繋がっていた。透明なその糸は限界まで伸ばされ、やがて優しく切れた。ネイサンは自分の唇を舐め、カトニスの口の中の甘い液体を味わった。カトニスの唇の甘...