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277話

【サラ】

ヨーロッパからの小包を見つめていた私は、切断された指の横に置かれた小さな録音装置に手を伸ばしながら、暴走する列車のように耳に響く自分の鼓動を感じていた。恐怖と不安で手が激しく震え、指が痺れて、装置を二度も取り落としてしまった。ようやく、こめかみが脈打つほどの必死の集中力で、再生ボタンを押せるほど指を安定させることができた。

ダニエルの声—緊張し、かすれ、苦悩に満ちた声—を聞いた瞬間、私の中で何かが完全に崩れ去った。その音は物理的な衝撃のように私を襲い、肺から息を奪い、血管の中に氷水が流れ込むような感覚をもたらした。間違いなく彼だった。原始的な叫び声が胸の中で膨らみ、喉を引っ掛きな...