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150話

「サラ」

高級ウイスキーの香りと彼特有の香水の匂いが私を包み込んだ。セオドアが私を彼の胸に引き寄せたとき。普段は計算され冷たい彼の触れ方が、今は危険なほど親密で、私の鼓動を早めた。彼の片手が私のドレスの絹地の上に所有欲たっぷりに指を広げて腰に置かれ、もう片方の手は妙に馴れた様子で私の腰に回され、その感触が背筋に電流を走らせた。

「お酒が弱いなら強がらないで」私はつぶやき、彼の膝から身を起こそうとした。彼の腕が私の腰をきつく締め付け、高級なスーツの生地が私の素肌の腕に擦れた。彼の体温がドレス越しに伝わり、心臓が裏切るように早鐘を打った。

「サラ、一緒に飲もう...」彼の声は、私の夢の中でも...