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50話

「あっ、殺さないでくれ!」李小川は慌てて後ずさりし、手に持った二つの袋を振り回して相手の視線を惑わせ、そして電光石火の如く足を繰り出した。

ドン!

卵が割れるような音が響いた。

「ぎゃあっ!」鋭い悲鳴が通り全体に響き渡り、山羊髭は膝から崩れ落ち、そのまま体全体が倒れ込んだ。

「て、てめぇ...またも金的蹴りかよ」山羊髭は震える声で言った。目には涙が浮かんでいた。

李小川のこの一蹴りの威力は決して小さくなく、あと少しで彼の下半身の幸せを断ち切るところだった。

「そんな技を使っちゃいけないって決まりでもあるのか?」李小川は尋ねた。

「お前...くそっ、痛すぎる...小僧、絶対に許さね...