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42話

李小川は相手が本題に入ってくるのを察し、店主を呼んで会計を頼んだ。

「今日はご馳走になってしまったな」

「いや、気にするな。後で俺の給料を少し上げてくれれば良いさ」李小川は顔色一つ変えずに言った。

「問題ない」羅盛霆は彼をじっと見るほど、この青年が測り知れない存在に思えてきた。一般的な若者とは明らかに異なる点が多々あるようだ。

「李小川、鐘原が昨夜、蘇媚に会いに行ったんだ」羅盛霆は歩きながら言った。

李小川は平然と頷き、「つまりあなたたちは紅音のために来たということですね?」

「李小川、遠回りはしない。確かに私は紅音のために来た。まさか彼女があなたに救われていたとは思いもよらなかっ...