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959話

「後でまたここで待っていてくれ、迎えに来るから」

「分かった」

話している途中、王鉄蛋が振り向くと、如煙が急いでこちらに向かって走ってくるのが見えた。

「来たぞ」

如煙は門口に着くと、すぐに少し離れたところにいる譚軍を見つけた。「軍兄!」彼女は驚きと喜びの声を上げると、門を出た。

「如煙、二人であの藁山の陰で話してくれ、誰にも見つからないようにな」王鉄蛋は院の壁と山の斜面の間の隙間を指差した。そこはとても人目につきにくい場所だった。

「ありがとう、鉄蛋兄」如煙は感謝の言葉を述べると、二人の若者はその人目につかない場所へと急いだ。

ちょうど昼近くになり、王鉄蛋は裏門を閉め、花伯に一言伝えてから戻...