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954話

「つまり、この二世子は傲慢で、よく小さな問題は起こすが大きな犯罪には手を出さない。我々も手の打ちようがないんだ。知る限り、この若造は地元の暴力団と繋がりがあるが、残念ながら決定的な証拠がつかめない。それに父親と叔父の干渉もあって、我々は見て見ぬふりをするしかない。今回は君が彼と揉めたようだが、気をつけろよ。何かあったらすぐに連絡してくれ」

「ああ、わかった。じゃあ先に行くよ、山に登るから」

「いいか、何かあったら俺に連絡しろ。一応副隊長の肩書きもあるしな。どうしてもとなれば、俺の義父も出てくれるだろう」

「お前さ、まだ娘と離婚しようとしてるくせに、規律委員会の書記を巻き込むなよ」

「あ...