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850話

「あ、あなた、携帯持ってますよね?電話を一本かけさせてもらえませんか?」

王鉄蛋は急ぎ足で前に出て、携帯を取り出しながら言った。

「はい、どうぞ。遠慮なく」

如煙は携帯を受け取ると、身を反らして番号を押した。耳に当てて聞いてみると、すぐに王鉄蛋に携帯を返した。

「どうしたの?繋がらなかった?」

「通じないわ」如煙は落胆した様子で言った。

「相手が圏外にいるのかも。誰に電話するの?何かあったの?あとで俺がもう一度かけなおそうか?」

「いいえ、結構です。私が電話をかけようとしたことは、他の人に言わないでください」

「でも、もし相手から電話がかかってきたら、俺はなんて言えばいい?」

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