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796話

彼は庭にいた人々を思い返した。まず、あのお経を唱えていた尼僧たちを除外した。彼女たちは最初から最後まで座ってお経を唱えていただけで、一度も動いていなかった。あの警備員も、ずっと門のところに座っていて、霊堂に近づくことすらなかった。しかもその男は村に来たのは初めてで、おそらく方向さえ分からないだろう。最後に彼が自分の目で見たのは、その男が法具を片付け、尼僧たちと一緒に建物に入ったきり、二度と出てこなかったことだ。残るのは庭で麻雀をしていた二卓の人々だ。二卓だったか三卓だったか?彼ははっきり覚えていない。さすがに年を取って記憶力が衰えていた。彼は懸命に思い出そうとし、一人一人の顔が脳裏に浮かんでは...