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637話

「ああ、ありがとうございます」同性の人がこの寺にもう一人いることを知り、王鉄蛋は何故か嬉しくなった。

「私は王鉄蛋と申します。これからは小王とお呼びください」

「さっき、ここで悲鳴が聞こえたような気がしたんだが、聞こえなかったかい?」花伯は細い目をさらに細めて尋ねた。

「ああ、それはですね——」王鉄蛋は頭をめぐらせてから言った。「二人の尼僧さんがここを通りかかった時に、あの草むらから突然蛇が飛び出して、一人が驚いて気を失ってしまったんです。私が彼女を部屋に運び入れて、人中を押さえたら、すぐに大丈夫になりました」

「なるほど、そういうことか。お前さんも気をつけるんだぞ。この季節は確かに蛇が多いか...