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635話

「こんな早朝から尼さんたちがお経を唱えているのか?」疑問に思いながら、王鉄蛋は部屋の中にある唯一の二百ワットの電球をつけ、そして扉を開いた。

爽やかな空気が顔に流れ込み、ほのかな花の香りが混ざり合って、心身ともに清々しくなる。思わず昔、軍隊で朝の訓練をしていた時の感覚を思い出した。

まだ夜が明けておらず、王鉄蛋は扉を閉め、小石の敷かれた道を気ままに歩いていった。ちょうど曲がり角を過ぎたところで、細かい足音がこちらに向かってくるのが聞こえ、同時に二人の女性の会話が聞こえてきた。

「如性、昨日来たあの男の警備員、本当にかっこよかった?」

「ほんとよ、昨日の午後ずっと監院の後ろに立ってたけど...