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61話

残念なことに、手の届くところにあった呉麗珍が飛んでしまったわけだ。

この間、彼女は李二牛と離婚して、息子は李二牛の方へ引き取られた。

この日の午前中、俺は町の診療所にいた。

師匠が患者の脈を診ているそばで、俺は座っていた。

正直なところ、師匠についてこれだけの時間が経つと、俺はマッサージを学んでいるとはいえ、ちょっとした病気なら治せるようになっていた。

目が見えなかった頃は、鼻だけで百種類以上の薬を嗅ぎ分け、薬箪笥から正確に取り出して師匠に渡せたし、記憶力もいいから、今では小さな医者と言ってもいいくらいだ。

認めざるを得ないが、盲目だった時は心がとても静かで、世界全体が自分とは無関係だった。聴...