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527話

「もちろん、表情を無にしている」

美女は渡された寝間着に着替え、マッサージベッドに横たわった。

「お姉さん、テレビ見ますか?」小玉が尋ねた。

「いらない」

「音楽は?」

「いらないって!」

「わかりました、まずは足湯からさせていただきます」

小玉はベッドカバーをめくり、足元を露出させてからボタンを押すと、中央部分が開いて水槽が現れた。

「おい、目の見えない子!」美女が私に向かって指で合図した。

私はゆっくりと近づき、ベッドの横に立ち止まった。

「何かご用ですか、お姉さん」

「あんた、いくつなの?」

「十九です。もうすぐ二十になります」

「いつ目が見えなくなったの?」

「八歳の時に交通事故で」

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