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39話

「鉄蛋!」義姉が声をかけた。

「義姉さん?」

「今、庭から出て行った女性は誰なの?」と義姉が尋ねた。

「ああ、診療所の患者さんだよ。師匠が往診に出かけてるから、彼女が直接僕のところに按摩をしに来たんだ」と私は答えた。秦姐とどうやって知り合ったかなんて、義姉に話せるわけがない。

「ふふ、わざわざ家まで按摩を受けに来るなんて、あなたの技術を認めてるってことね」と義姉は笑顔で言った。

しかし、母が顔を強張らせているのに気づいた。

「義姉さん、僕の部屋にはクーラーがないから、秦姐を義姉さんの部屋に案内したんだ」

「ああ、構わないわよ」

義姉はそう言ったあと、何かを思い出したように顔を引きつらせた。「先...