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354話

「あなたの従妹、本当に綺麗ね!」

「みんなそう言うけど、残念ながら僕には見えないんだ」僕は口元を大きく綻ばせた。

「あの子、彼氏いるの?」小芳が尋ねてきた。

「なんでそんなこと聞くの?」

「いや、違うの、王東が聞いてって言うから」小芳は言った。

僕は王東を知っている。あの二人の男性セラピストの一人で、ちょっとイケメンで髪を金色に染めている。昨日、梅子が店に入った瞬間から、彼はずっと見つめていた。

「ああ、従妹のことはあまり詳しくないんだ。彼女も最近都会に出てきたばかりで、たしか彼氏がいるみたいだけど」僕はあいまいに答えた。

「どうしたの?王東が従妹に気があるの?」

「かもね。彼のこともよく知ら...