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347話

「こんなに偽善的なんて、おかしいよな?」

私は欲望と自責の間で揺れ動いている気がする。

ただ十一年間も目が見えなかったから、失ったものを取り戻したいだけなのか?

自分の心の状態が異常な気がしてならない。

今夜も、また一歩堕落して、地獄に近づいてしまった。

「ごめん、梅子、心配かけて」

梅子は私をソファに座らせてくれた。

「鉄蛋、あなたには陳二狗さんしか友達がいないんだもの、わかるわ。ただあまり飲みすぎないで、帰りは気をつけてくれればいいの。本当は道端で待とうと思ったんだけど、お姉さんのような目に遭うのが怖くて、家の中で待っていたの」

私は思わず梅子を抱きしめた。「大丈夫だよ。誰かが待って...