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3025話

去年は確か洪水の季節で、皆が治水に追われていた忙しい時期に、小華に誘われて誕生日会に参加したのだ。あの頃、小華はまだ県委員会に来ておらず、開発区にいた。

仕事の緊張感から、張婷はほんの少しだけ顔を出してすぐに離れたのだった。

しかし今は、もう夏の終わりから秋の初めにかけての頃。

彼女が首を傾げて考え込んでいる最中、目の前に古風な建物が現れた。三階建てほどの高さで、青い煉瓦に碧色の屋根瓦、前には中庭があり、小さな旅籠のようだった。

彼女の記憶では、前回来た時にはこの建物はなかった。真っ白な壁を見ても、これが最近建てられたものだということが分かる。

「ここはどこなの?」張婷は入り口に立っている案内...