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285話

「あの子、制服着てて、丸い顔してて、明らかにさっきバスにいた女子高生じゃない!」

電話を切った後、彼女はその場に立ったままだった。

私は彼女に気づかれるのが怖くて、ぐるっと遠回りしてから、団地の中へ入っていった。

この団地はオープン式で、正門も塀もなく、いくつもの棟が建ち並んでいる。

ちょうど建物の下に着いた時、通路から一人の女の子が走り出てきた。林秋水だ。

もちろん声をかけるわけにはいかず、そのまま前へ進んだ。

林秋水は私をちらりと見たが、何も言わずに自分の道を急いで行った。

部屋は一階にあり、自分で鍵を開けて入った。

中に入るとすぐに寝室へ行き、パンツを履き替えた。義姉が洗濯してく...